腎病理

腎炎、特に糸球体腎炎の発症・進展機序の時空間的役割に興味を持って研究しています。

 我々はこれまでに、ANCA関連腎炎の発症には糸球体内でのCXCL1およびCXCL2の発現増加を介した好中球遊走が重要であることを報告しました (Kanzaki G et al., Nephrol Dial Transplant. 2016) 。また、造血幹細胞移植後の急性GVHDの標的臓器として腎臓はこれまでにあまり注目をされていませんでしたが、ラット骨髄移植モデルによる急性GVHDでは皮膚・腸管・肝臓といった組織と同様に、腎臓も傷害されることを見出しました。そしてこの腎傷害には液性免疫ではなく、CD4, CD8陽性T細胞やマクロファージによる細胞性免疫が関与していることを示しました(Higo S et al., PLoS One. 2014)。

 アミロイドをはじめとした沈着症では、タンデム型液体クロマトグラフィー質量分析器(LCMS/MS)を用いて、網羅的に沈着物を細分化する試みを行っています。最近では、重鎖沈着など従来法では解析が難しかった疾患などの新しい知見を蓄積しています。パラフィンブロックからのマイクロダイセクションにより選択的に沈着部位のみを採取することで、より正確な診断ができる可能性を見いだしています。

 また抗Front薬を用いたマクロファージを主体とした抗炎症作用について、様々な腎炎疾患も出るでの研究を進めています。

    現在は、これらの基礎研究や診断に寄与する研究を継続するとともに、難治性腎疾患の治療応用へ寄与する研究を推進しています。

日本医科大学 解析人体病理学