
日本医科大学・解析人体病理学分野は、病理診断を通じて患者さんの医療に貢献し、
形態学を基盤として病気の本態を明らかにし、そしてより良い医学教育に努めます。
大学院教授(主任教授)阿部 浩幸Hiroyuki Abe2026年10月1日付で日本医科大学解析人体病理学分野の大学院教授に着任しました阿部浩幸です。よろしくお願い申し上げます。
解析人体病理学分野では、病理診断、病理学研究、そして教育を3本の柱として、医学の発展と後進の育成に努めています。
当教室は統御機構診断病理学分野と連携し、付属病院の病理診断を担っています。細胞診、生検診断、外科手術検体の診断を通して、患者さんがより良い治療を受けられるよう日々努めています。また不幸にして患者さんがお亡くなりになられた際、その病態を明らかにして医療を検証するための病理解剖も行っています。病理診断が対象とする臓器は頭から足先まで全身に及びますが、各メンバーの専門性を生かして診断に取り組んでいます。
病理診断は19世紀末のVirchowの細胞病理学の時代から続く古典的な病理形態学を基盤としており、その重要性は今日も揺るぎません。しかしながら、電子顕微鏡による超微細形態観察、免疫組織化学によるタンパク発現解析、ゲノム解析による遺伝子異常の同定、質量分析法など、科学の進歩を取り込んで発展してきた歴史があります。また疾患概念の変遷や分類の深化、新規治療法の適応判断(コンパニオン診断)など、病理診断に求められる内容は高度化、複雑化を続けています。最先端の医学の進歩を患者さんに還元できるよう、適切な病理診断の提供を心掛けてまいります。
私は消化管病理学を主たる専門とし、胃癌の腫瘍内微小環境の病理組織学的解析、胃癌治療標的分子(HER2やCLDN18など)の発現解析、人工知能(AI)を用いた病理診断支援システムの研究開発に取り組んでいます。特に人工知能(AI)技術の病理分野への応用は、不足する病理医のサポートになるだけでなく、病理組織像からの予後や遺伝子変異の予測など幅広い可能性を秘め、今後の発展が期待される分野であり、我々も注力していきたいと考えています。
本教室では消化管以外にも、肺や婦人科、腎臓、マクロファージなどの様々な領域を専門とするメンバーが活動しており、互いに協力しながら研究を推進しています。
医学部では病理学の講義や実習、及び病院実習(病理診断科)を担当しています。
医学教育において、病理学は総論を基礎医学の最後に、各論を臨床医学と並行して学びます。将来、医学のどの分野を専門とするとしても、病理学はその土台となる考え方を身につけるために必要な学問です。我々は病理学的知見が実臨床の診断や治療にどのように生かされているのかを分かりやすく説明し、「病理学」に興味を持ってもらえるよう努めていきたいと考えています。
病理医を目指す医学生・研修医・若手医師の方へ。学内外を問わず、見学を歓迎します。