腎病理研究

当教室における腎病理の特徴       

腎病理学は、主に視覚的基盤から、病態を理解し、腎疾患の診断確定をするという、重要な学問です。臨床診療や病理診断の現場を重視して、実際に観察することから病気の本態や発症・進展機序を解明し理解することをめざしています。実際に目に見える現象を組み立てて、動きのある病態を明らかにすることが重要です。

当科では、歴代教授の矢島権八教授、馬杉洋三教授、山中宣昭教授をはじめ、現在は日本腎病理協会代表世話人である清水教授を中心に、腎炎、特に糸球体腎炎の発症・進展機序の時空間的役割に強い興味を持って、多数の研究報告をしてきています。当科の特色としては、当院からの腎疾患症例以外にも、他施設からの依頼症例など、多数の腎生検検体があることで、これをもとにした臨床研究はもちろんのこと、腎炎モデル動物を用いた、研究病理学を盛んに行っており、診断病理学と研究病理学を融合し、臨床に役立つ基礎・臨床研究を進めています。

また、以下に記載するように、LV-SEM(低真空走査型電子顕微鏡)質量分析を用いることで、より詳細な観察・研究を行うことができ、また、豊富な動物腎炎モデルを生かし、様々な基礎研究を行い、過去に報告してきました。

低真空走査型電子顕微鏡(low-vacuume scanning electron microscopy;LV-SEM)

近年の研究は病理学という垣根を超え、免疫学、遺伝学、分子生物学、薬理学といった広い範囲の研究知識・技術が必要とされています。当科ではそれらに加え、形態病理学という強みを充分に生かすことのできる、低真空走査型電子顕微鏡(low-vacuume scanning electron microscopy;LV-SEM)という特殊な装置を有しております。光学顕微鏡では油浸レンズを使用した場合でも最大拡大倍率は1,000倍ほどですが、このLV-SEMでは、同様の光学顕微鏡で使用する切片を用いて、同じ部位を30,000から60,000倍まで拡大可能であり、さらに重要なことは、光顕での解像度が200nmであるのに対し、LV-SEMでは50 nmほどと高精度の観察が可能となります。電子顕微鏡に比べ標本の作製も非常に簡便で、かつ立体的な観察が可能となります。PAM染色スライドをそのまま観察することができ、さらには、免疫染色を施した光顕スライドに特殊な処置をほどこすことで、免疫染色したスライドをこのLV-SEMで観察することも可能となりました。当科ではこのLV-SEMを用いた研究を数多く発表してきており、臨床および基礎研究において非常に有力なツールとなっております。

腎疾患への質量分析の応用

質量分析の技術のめざましい発展に伴い、腎病理も大きく進歩しております。腎生検組織切片から、糸球体だけを標的にしてレーザーで糸球体のみを抽出し、高感度の液体グロマトグラフィ/タンデム質量分析法(LC-MS/MS法)解析の特徴を最大限に活かし、腎生検病理検体を用いて病変局所での微量蛋白質の解析を行っています。CKDの原因の一つである腎沈着症では、その沈着物質により治療が異なる場合があります。腎沈着症の沈着物の確定には LC-MS/MS法による解析が有用で、現在までにアミロイド腎症の前駆蛋白、apolipoprotein A-I (APOA1)アミロイドーシス、apolipoprotein E (Apo E)関連糸球体疾患、cryofibrinogen関連糸球体腎炎をLC-MS/MS法で沈着蛋白を同定して確定診断に導いてきました1-5)。LC-MS/MS法の解析では、immune complex型糸球体疾患の抗原の同定も可能であり、膜性腎症の PLA2Rや、 fibrillary 腎炎のDnaJ homolog subfamily B member 9 (DNAJB9)の同定も行い、抗原からの糸球体疾患の発症機序の検討を進めております。

当教室における過去の主な研究成果                   

 


腎疾患の原因は多彩であるが、免疫学的機序や非免疫学的機序により糸球体構造や尿細管間質構造が破壊されると、生体反応として、早期には滲出性炎が、その後に増殖性炎が誘導され、障害組織の修復が行われる。完全に回復すると腎疾患は消退するが、不完全修復では糸球体硬化や間質線維化の瘢痕が形成され、CKDが進展する。その進展と回復を分ける本質的な要因は腎微小血管網障害の修復の程度が決定している。

 

1. 腎微小血管障害と、その後の修復不全による慢性腎臓病(CKD)への進展の解明

微小血管障害と、細胞死

腎臓は非常に分化した微小血管網を構築している(図1)。まず、腎微小血管障害による腎障害発症の研究として、原因として多い、免疫学的障害虚血再灌流障害の機序と、その障害の同定・評価法を検討しました。免疫学的機序としては、細胞傷害性CD8+ Tcellによる誘導される細胞死は、パーフォリン/グランザイム経路とFas/Fasリガンド経路によるアポトーシスが主体であることを報告し6)、抗体・補体依存性細胞障害では、膜侵襲複合体(C5b-9)が標的細胞表面に膜貫通性チャンネルを形成し細胞溶解を起こし壊死に類似した細胞死が想定されています。虚血再灌流障害では酸素供給の低下ATP低下による細胞および細胞内小器官の膨化破壊ライソゾーム酵素の流出酸素フリーラジカルの生成細胞膜の破壊による壊死と考えられています。そして、それらの障害細胞の核DNAの電気泳動ではendonucleaseの活性化によるDNA断片化が起こっており、アポトーシスを同定するTerminal deoxynucleotidyl transferase-mediated dUTP-biotin nick end-labeling (TUNEL)染色で同定が可能であったことを報告し7,8)、腎疾患にみられる免疫学的機序による細胞死や虚血再灌流障害による細胞死をTUNEL染色で同定することが可能で、腎臓局所での評価が可能であることを示しました。

図1     腎臓は特異に分化した微小血管網を構築している
A)PAM染色の皮質間質の光学顕微鏡所見では、動脈 (矢頭)の他に尿細管周囲に傍尿細管毛細血管 (PTCs)(矢印)がみられている。B) CD34の免疫染色で血管内皮細胞を同定すると、動脈内や尿細管周囲にPAM染色では明瞭ではなかったが尿細管を裏打ちする豊富な PTCs(矢印)や動脈内皮細胞(矢頭)が認められる。糸球体も毛細血管網から構築されている。C)糸球体の電顕所見では、糸球体は毛細血管網から成り立ち、毛細血管の内側より内皮細胞、係蹄基底膜、糸球体上皮細胞により構築される係蹄が確認できる。D)間質の電顕所見では、尿細管周囲に管腔の開いた PTCs(矢印)が確認できる。

 

腎微小血管障害とCKDとの関連

次に、腎微小血管障害により慢性腎不全(CKD)に進展する病態の解明と、回復する機序の解明のために、増殖性腎炎を呈するが一過性で糸球体硬化病変を形成せずに、回復する①可逆性糸球体腎炎モデルと、増殖性腎炎後に糸球体硬化を形成する②進行性糸球体腎炎モデルを用いて、糸球体腎炎の発症・進展・回復過程や糸球体硬化病変について、腎微小血管との関係性に主眼をおき、検討しました9-12)
まず、①可逆性糸球体腎炎モデルとして、Thy-1腎炎では、発症早期に抗体・補体依存性にメサンギウム細胞融解が起こり、その後にメサンギウム増殖性腎炎が発症していました(図2)9)。メサンギウム細胞は糸球体毛細血管網を束ねており、メサンギウム融解に引き続いて糸球体血管網の破壊が認められましたが、しかし、このモデルでは糸球体腎炎の消退に先駆けて、傷害毛細血管網の修復が完了し、その後、増生メサンギウム細胞が減少し、糸球体腎炎は消退していました10)。このことから、糸球体腎炎の消退には障害毛細血管網の修復が重要であることが示されました。

 

図2    可逆性増殖性腎炎モデルのラットThy-1腎炎の経時的推移 (文献9,10)より転載)
A-D: PAM染色)抗Thy-1抗体をラットに投与すると、腎糸球体のメサンギウム細胞表面に発現しているThy-1分子に結合し、補体が活性化されメサンギウム細胞死が誘導される。3日目(Day3)にはメサンギウム融解から毛細血管網の構築が崩壊し袋状のballooning (星印)が形成される。その後1週目(Week 1)にはメサンギウム増殖性病変が形成されるが、増殖性腎炎は一過性で2週目 (Week 2)には増殖性病変は軽減し、4週目(Week 4)には正常の糸球体形態像にまで回復する。
E-G: Thrombomodulin [TM]染色) 糸球体毛細血管内皮細胞を TM染色で同定すると、3日目のballooning病変部位(星印)では毛細血管網は崩壊しているが、5日目には糸球体血管極からの新生血管 (矢印)とballooning病変周囲に毛細血管網の形成(矢頭)がみられ、2週目には正常の糸球体毛細血管網に回復している。
H: VEGF[緑色]とαsmooth muscle actin [αSMA; 赤色]の二重染色)緑色のVEGFは尿細管上皮細胞、ボウマン嚢上皮細胞、糸球体上皮細胞が発現し、さらに赤色のαSMA染色陽性の増生・活性化メサンギウム細胞も一部で黄色を呈し、VEGFを発現している。
I: 単離糸球体のVEGFの Western blotでの解析) 腎炎惹起後 5日目(5d)から10日目(10d)に VEGFの発現の上昇が認められる。

 

他方、②進行性糸球体腎炎モデルとして、Thy-1/ハブ蛇毒腎炎モデルを用いた検討では、Thy-1腎炎モデルにメサンギウム基質融解酵素のバブ蛇毒を投与し(図3上)、腎炎早期のメサンギウム融解性病変が高度にびまん性に形成され、高度の糸球体毛細血管網破壊が誘発されました。そして、その後に障害毛細血管網の再生・修復は起こるものの、その修復は不完全で、増殖性糸球体腎炎は持続しており、次第に糸球体硬化性病変が形成されました11)。また、もう一つの進行性糸球体腎炎モデルとして、半月体形成性腎炎を呈する抗糸球体基底膜腎炎(抗GBM腎炎)モデルにおいては、壊死性病変とともに毛細管血管網の破壊が起こり、繰り返し壊死性病変が形成され、障害血管網の再生・修復は不完全で血管退縮も起こり、増殖性腎炎は遷延し、高度のCKDを呈する硬化糸球体へ進展していました(図3下, 図4左)12)

 

図3     進行性のラットThy-1/ハブ蛇毒腎炎モデルと抗GBM腎炎モデルの経時的変化 (文献11,12)より転載)
Thy-1/ハブ蛇毒腎炎モデルの腎炎惹起後2日目(2d)から8週目(8w)までのPAM染色光学顕微鏡所見。腎炎惹起後 2日目にはメサンギウム融解性病変(星印)が高度にびまん性に形成され、高度の糸球体毛細血管網破壊が誘発される。その後、高度の増殖性糸球体腎炎が1週目(1w)から2週目(2w)に認められ、8週目(8w)には糸球体硬化性病変が形成された。
抗GBM腎炎モデル (PAM染色)では、1週目(1w)には壊死性病変(星印)が形成され、2週目(2w)から4週目(4w)まで繰り返し壊死性病変が形成され、8週目(8w)には硬化糸球体に陥った。
図4     抗GBM腎炎のVEGFと糸球体毛細血管網の変化およびVEGFの全身投与による効果 (文献12,15)より転載)
VEGFと糸球体毛細血管網の脱落では単離糸球体のVEGFは腎炎惹起後から増加することなく、徐々に減少していた、Thrombomodulin(TM)染色での血管内皮細胞の同定でも、糸球体毛細血管網は1週目(1w)の壊死性性病変部(星印)では消失し、その後の2週目(2w)では壊死性病変は繰り返され、血管新生・再生は見られず、4週目(4w)から8週目(8w)には血管網は徐々に減少した。
VEGF投与期間中の内皮細胞の増生と毛細血管網修復では増生細胞(PCNA; 黒色)と内皮細胞(TM; 茶色)の二重染色では VEGF投与中の 2週目(2w)と3週目(3w)ではPCNA陽性・TM陽性の増生内皮細胞が壊死性・増殖性病変内に認められ、血管新生がにられる。PAM染色では VEGFの投与を開始する 1週目(1w)では壊死性病変が認められているが、投与終了する4週目(4w)では一部で癒着病変を認めるものの、正常構造の部位もみられる。
グラフでは、VEGF投与中は増生内皮細胞が増加し、その後、糸球体毛細血管腔数が増加し、糸球体毛細血管網の修復が進んでいることが示めされている。VEGFの投与により、蛋白尿も減少し、腎機能も保たれている。

 

 

これらのことから、可逆性と進行性腎炎モデルでの解析から、糸球体硬化病変は、糸球体毛細血管網の障害とその後の再生・修復により規定され、糸球体毛細血管網の障害が高度であるか繰り返し起こり、その後の再生・修復が不完全の場合には増殖性腎炎は遷延し、腎機能低下を伴う糸球体硬化性病変が形成されていることが示されました。
さらに、その後、ラット腎への18Gの放射線照射による細胞老化を誘導した放射線性腎症でも、虚脱糸球体,硬化糸球体、血栓性微小血管症 (TMA)や間質線維化が認められ、細胞老化と内皮細胞障害や腎機能低下の関連が認められました13)。これらの研究から、糸球体硬化は糸球体毛細血管網の脱落と、その後の瘢痕形成であると理解されております。

―糸球体毛細血管網の修復に関与する因子(VEGF, HGF)

次にこの障害後の糸球体毛細血管網の修復に最も関連している因子を探索するために、血管内皮細胞の増生や新生を促す血管内皮増殖因子 (VEGF)に着目して、検討を行いました。可逆性モデルであるThy-1腎炎モデルでは傷害血管網の再生・修復期に増生メサンギウムと係蹄上皮細胞から産生されるVEGF-Aの糸球体内濃度が増加しており、(図2 H,I)9)、係蹄毛細血管網傷害に伴い、メサンギウム増殖性病変が形成されるのは、正常メサンギウム細胞からは産生されていないVEGFを、メサンギウム細胞が増生しながら活性化することで、VEGFが血管新生を誘導するための優れた生体反応と考えられました。一方、不可逆性モデルであるThy-1/ハブ毒腎炎進行性の半月体形成性腎炎を呈する抗GBM腎炎においては、毛細管血管網の破壊後に生ずる糸球体内のVEGF-Aの増加は認められないかもしくは一過性であった(図4左)10,12)。さらに、この障害毛細血管網の再生・修復に対するVEGFの関わりを証明するために、Thy-1腎炎モデルの早期にVEGFの中和抗体を投与し、VEGFの作用を中和したところ14)、本来ならば回復するはずの傷害血管網の再生・修復は著明に抑制され、メサンギウム増殖性腎炎は持続し、糸球体硬化病変の形成が認められた。
逆に、進行性のThy-1/ハブ毒腎炎や抗GBM腎炎にリコンビナントVEGF165を全身投与したとこ11,15)内皮細胞の増生や傷害血管の再生・修復が促進され、増殖性腎炎が消退するとともに、傷害糸球体は回復し、腎機能の悪化も阻止された(図4右)。
さらに、抗GBM腎炎モデルを用いた検討では、リコンビナントVEGF165の投与が、糸球体血管内皮細胞の接着分子のICAM-1やケモカインのMCP-1の発現を抑制し、糸球体内への炎症細胞浸潤が減少し、壊死性、半月体形成性腎炎の発症も阻止されていた15)
また、血管内皮細胞増殖作用を有する肝細胞増殖因子(HGF)の投与でも、障害糸球体毛細血管網の完全修復の誘導が可能で、増殖性腎炎は消退していた16)

これらの研究は、VEGFやHGFの補充療法が、毛細血管網からなる腎糸球体に対し傷害血管の新生・再生を誘導することにより、傷害糸球体の修復を積極的に促進し、さらには、血管内皮細胞を介した抗炎症作用をも有することから、炎症性糸球体疾患の新しい有力な治療戦略の一つになる可能性を示唆している。

臨床腎疾患での糸球体毛細血管網障害の検討

臨床検体を用いて、糸球体毛細血管障害の評価を行いました。壊死性半月体形成性腎炎を呈するANCA関連腎炎45症例、抗GBM腎炎7症例、ループス腎炎21症例、紫斑病性腎炎45症例では壊死性病変部位で糸球体毛細血管網は破壊され、周囲に細胞性半月体が形成されていました17)。その後、血管網の再生・修復はわずかで、糸球体は硬化病変を形成し半月体は線維性半月体へ移行した。腎生検で診断された200症例のIgA腎症では、IgA腎症の急性糸球体病変では炎症細胞浸潤とともに糸球体毛細血管網が消失し、壊死性病変や細胞性・線維細胞性半月体の形成を認められました18)。慢性糸球体病変では、糸球体毛細血管網の減少や消失とともに細胞外基質の増加がみられ、分節性・全節性糸球体硬化の形成を認められました。急性糸球体病変を有する症例は血尿や蛋白尿の程度が有意に高く、慢性糸球体病変を有する症例は蛋白尿の程度や腎機能低下と有意な相関がみられ、糸球体毛細血管網障害が尿所見や腎機能の低下と相関することが示されました。特発性膜性腎症250症例の検討においても、糸球体係蹄へのimmune complexの沈着による係蹄基底膜の肥厚や質的な変化による糸球体内皮細胞障害が生じており、その程度が高度な症例はGFRの低下や糸球体の分節性硬化病変が形成されていました19)。糖尿病性腎症49症例での検討では糖尿病による糸球体毛細血管網障害に反応してdiffuse lesionが、毛細血管網の破壊による ballooning後に結節性病変が形成されるが、これらの糸球体病変と蛋白尿の程度、腎機能低下やCKDのステージと相関しており、糖尿病性腎症においても係蹄毛細血管網傷害がCKDの進展に大きく関わっていました20)
糸球体係蹄は血管内側より係蹄内皮細胞、係蹄基底膜、係蹄上皮細胞により構築されていますが、係蹄内皮細胞の足場となる係蹄基底膜をIgA腎症50症例で確認すると、係蹄基底膜の構成主成分であるIV型コラーゲンα5鎖の減弱とα2鎖の増強の質的な変化と、低真空走査電子顕微鏡(LV-SEM)による糸球体基底膜の削り取り像や裂孔形成の超微形態的変化が認められました21)。菲薄基底膜病27症例でも同様に、係蹄基底膜の菲薄基化に関連して係蹄基底膜障害を認められ22)、糸球体係蹄傷害には係蹄内皮細胞の障害とその後の再生・修復が重要であるが、それを支えている係蹄基底膜の状態も血管網の再生・修復に影響していると考えられました。

係蹄微小血管傷害を誘導する炎症細胞浸潤と、その抑制・治療方法の検討

抗GBM腎炎において、腎炎の早期に自然免疫の制御を担う自然リンパ球(ILC)のうち、Th1環境の1型ILC(ILC1)が浸潤し、ILC1から産生されるIFN-γにより、TNF-α、INF-γやIL-12などの炎症性サイトカインの発現を伴う炎症性M1マクロファージが糸球体内へ浸潤し、さらにMCP1やTNF-αの炎症性ケモカインやサイトカイン、炎症性のiNOSを産生し、活動性のある壊死性・半月体形成性病変の形成に関与していました23-25)。また、ANCA関連血管炎では、糸球体内や血清中で炎症性サイトカインTNF-α, 好中球ケモカインCXCL1, CXCL2, CXCL8の発現上昇が認められ、糸球体内での好中球の異常活性化と好中球細胞外トラップ(NETs)形成が壊死性半月体形成性病変の形成に関連していることがわかりました26)。このNETs形成には、好中球のヒストンのシトルリン化が必須で、シトルリン化ヒストンH3(CitH3)陽性好中球が、臨床でのANCA関連血管炎の糸球体や間質で認められ、CitH3陽性好中球の頻度とANCA関連血管炎の疾患活動性の関連が示唆されました27。活動性の糸球体腎炎にはNETs形成に関わる好中球、炎症性のILC、活性化T細胞やマクロファージが関与し、係蹄内皮細胞障害が進展していました。

これらの研究より、炎症性腎疾患の治療には、これらの臓器障害性炎症細胞浸潤の制御が必要であることがわかりました。現在広く使用されている薬剤である、核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属する転写因子のPPAR-αや、アンギオテンシン1型受容体拮抗薬(ARB)やスタチン系薬剤らは、活動性炎症細胞浸潤の抑制、炎症性サイトカインやケモカインの産生の抑制ばかりではなく、抗炎症性サイトカインやケモカインの増強や抗炎症作用を有する浸潤細胞を増加させ、積極的な抗炎症作用の誘導が認められました23-25)。さらにARBでは、糸球体毛細血管網のeNOSの保持と血管網脱落の抑制など、糸球体毛細血管網の機能的・形態的な保持作用も確認されました(28)。腎微小血管障害を抑制し、慢性腎不全への進展を抑制するには、原因である障害が誘導する炎症の量と質のさらなる評価・研究が重要であり、それが抗炎症作用の新しい誘導法の開発の手がかかりになると考え、研究を続けております。

 

2. 尿細管とPTCsの相互作用

尿細管とPTCsの障害がともに起こることで、相乗的に尿細管間質障害が進行する病態について検討を進めた。代表的な疾患として、免疫抑制剤のサイクロスポリン(CyA)による腎毒性では、尿細管上皮細胞障害やTMAを呈するCyA腎症が発症します。このラットCyA腎症モデルでは、早期から尿細管上皮細胞のisometric vacuolization、PTC内皮細胞死や周囲の周皮細胞や筋線維芽細胞の集簇が認められ、PTCs障害後のVEGF増加の抑制や血管の不安定化に関わるangiopoietin-2の増加が認められました29。CyA腎症の進展には微小血管網障害やその後の修復不全が関与し、PTCs障害とともに炎症細胞浸潤がみられ、尿細管萎縮や間質線維化が進展していました。
腎虚血再灌流障害では尿細管上皮細胞の変性や細胞死が認められ、疾患の進展にはPTCs障害が大きく関わっています。虚血再灌流障害により尿細管周囲にMMP-2の発現増強が誘導され、MMPの活性化による基底膜障害とともにPTCsの破綻と出血が認められ、尿細管上皮細胞の細胞死がみられました30)。さらに、このMMPを阻害することで、PTCの破綻は軽減し、尿細管上皮細胞死も軽度になることがわかりました。
腎尿管結紮による腎線維化モデルでは、尿細管障害からPTCsに血管の退縮が誘導され、PTC脱落と間質線維化が誘導されていました31)

これらにより、PTCs障害は尿細管上皮細胞の変性・細胞死の増悪因子の一つであり、尿細管上皮細胞障害-PTC障害-さらなる上皮細胞障害の負のサイクルが形成されていると考えられました。

 

3. 間質毛細血管網障害の機能的な評価

間質微小血管障害について、病理形態学的な変化ばかりではなく、機能的な評価が重要である。高度肝機能障害や非代償性肝硬変では胆汁性腎症が発症する。急速進行性に移植肝臓機能不全が進展するラット肝臓移植モデルを用いて、進行性肝不全における腎障害を検討しました32)。急性肝不全により、移植後の肝細胞逸脱酵素と血清ビリルビン値の上昇に引き続き腎尿細管上皮細胞障害が進み、腎機能障害が発症することがわかり33)、PTCs障害も認められ、内皮細胞死の増加、eNOSの発現低下、毛細血管の再生・修復や成熟に関わるVEGFやangiopoietin-1およびangiopoietin-2の発現の低下を認めました。間質毛細血管の機能を in vivo imagingを用いてPTCの赤血球の移動距離から血流速度を解析すると、肝不全ラットでは422.7±153.7μm/secでコントロールの837.8±227.2 μm/sec (p<0.001)と比較し、機能的にも毛細血管障害を認められました。これらより、病理形態学的な評価に加え生体内での機能的な評価が重要であることが示唆されました。

 

4. 腎移植での間質毛細血管網障害

臓器移植では、ドナーとレシピエントの主要組織適合性複合体 (MHC)の異なりにより拒絶反応が誘発されます。移植臓器内で異なるMHCとして認識される血管内皮細胞は、拒絶反応の重要な標的となることがわかっています。移植臓器の拒絶反応は発現する時期により超急性拒絶反応、急性拒絶反応、慢性拒絶反応に分類されており、それぞれを検討することにより、免疫学的機序により血管内皮細胞が直接障害された際の生体反応や障害の強度や障害後の異なる病期による臨床病理学的特徴を検討することが可能になります34,35)

最も急激に高度の内皮細胞障害が惹起されるのが超急性拒絶反応で、移植後24時間以内に発症し、急速に移植臓器機能不全に至ります。レシピエントの既存の抗HLA抗体などによる急激な抗体関連型拒絶反応で、腎糸球体や間質毛細血管の内皮細胞への抗体の結合と補体の活性化、内皮細胞死、血小板血栓形成、血行停止による高度うっ血、毛細血管の破壊による出血がみられ、血管修復反応はみられませんでした36-38)

移植後数週から数ヶ月の間に発症する急性拒絶反応は、その機序により抗体関連型拒絶反応とT細胞性拒絶反応に分類されています。抗体関連型急性拒絶反応では補体の活性化による血管内皮細胞障害で、TMAが進展、血小板血栓や出血がみられました39-42)。T細胞性急性拒絶反応では傍尿細管毛細血管炎、糸球体炎、動脈内膜炎の血管系の炎症が主体で尿細管炎もみられ、その後に間質の浮腫や線維化が認められました43,44)。急性拒絶反応では治療を行い、奏功すれば回復するが、持続する場合には慢性拒絶反応に進展します。

慢性拒絶反応は、数ヶ月から数年の単位でゆっくり進展し、CKDに相当します(図5)。動物を用いた腎移植モデルでの慢性拒絶反応の進展には、CD3+ T cellはPTCsと糸球体毛細血管腔内に集積し、血管内皮細胞死を誘導、さらに小動脈の内皮細胞と尿細管上皮細胞間に浸潤し、尿細管上皮細胞死を誘導しておりました43-45)。その後に糸球体内でメサンギウム増殖と係蹄基底膜の二重化を特徴とする慢性移植糸球体症を呈し、動脈は内膜の線維性肥厚を特徴とする慢性移植血管症、尿細管は萎縮し、PTCsは内腔の狭小化や基底膜の肥厚・脱落を伴い間質の線維化は進展していました。

図5    実験腎臓移植モデルでの慢性拒絶反応の進展 (文献44)より転載)
A-C: Masson 染色) 慢性拒絶反応の進展では、移植後30日目 (Day30)は間質の炎症細胞浸潤と糸球体の急性糸球体炎がみられ急性拒絶反応を認める。移植後60日目 (Day60)は、病理学的には急性拒絶反応から慢性拒絶反応に移行しつつあり、矢印の慢性移植血管症や、矢頭の慢性移植糸球体症が認められる。間質の炎症細胞浸潤も続いている。移植後100日目 (Day100)では、完成された慢性拒絶反応の所見を認めている。間質の線維化が進み、慢性移植糸球体症(矢頭)や細動脈の慢性移植血管症(矢印)もみられる。
D-F: 慢性移植糸球体症の進展) DのPAM染色(100日目)ではメサンギウム増生と係蹄基底膜の二重化がみられ、慢性移植糸球体症に進展している。EはCD3(茶色)とTUNEL(黒色)の二重染色で、糸球体毛細血管内でCD3陽性T細胞に接して、TUNEL陽性細胞(矢印)がみられ、内皮細胞死が起こっていると考えている。FはIB4レクチン染色で血管網を同定しているが、18日目で糸球体血管網の崩壊が認められる。G, FはPCNA(黒色)とα smooth muscle actin (αSMA; 茶色)の二重染色で、PCNA+・αSMA+の増生・活性化メサンギウム細胞を同定している。Gの18日目ではPCNA+は主に毛細血管内にみられ、障害内皮細胞の再生であるが、Hの30日目では増生・活性化メサンギウム細胞(矢頭)が多く、増殖性病変を形成している。
I-M: 間質の傍尿細管毛細血管[PTCs]の変化) Iは 100日目の電顕所見で PCTの周囲に基底膜の層状化がみられ、慢性拒絶反応に陥っている。JはCD3(茶色)とTUNEL(黒色)の二重染色で、18日目には糸球体毛細血管内にCD3+T細胞の浸潤が見られ、CD3陽性T細胞に接して、TUNEL陽性細胞(矢印)を認め、内皮細胞死が起こっている。K, M:αSMA染色で筋線維芽細胞を同定している。Kの30日目には障害毛細血管網周囲に筋線維芽細胞が出現し、Mの60日目では間質に広く筋線維芽細胞が認められる。LはPCNA(黒色)とαSMA(茶色)の二重染色で、PCNA+・αSMA+の増生筋線維芽細胞が同定され、PTCsの周囲に増生筋線維芽細胞(矢頭)が認められる。慢性拒絶反応では糸球体毛細血管網の障害によりメサンギウム増生や硬化病変が進展し慢性移植糸球体症が進展する。間質ではPTCs障害により PTCsの周囲に筋線維芽細胞が増生し、間質の線維化が進展している。

 

臨床でも、慢性拒絶反応と診断された79症例の検討では、CD3+ T cellやTIA-1陽性の細胞傷害性T cellの浸潤と内皮細胞死を糸球体毛細血管や間質毛細血管に認め、その周囲に糸球体硬化や間質線維化に関連するα-smooth muscle actin陽性の筋線維芽細胞や活性型メサンギウム細胞が集簇し、糸球体では慢性移植糸球体症を、間質では線維化の形成が認められました46-48)。糸球体では毛細血管網の減少が糸球体硬化病変や蛋白尿の程度と相関したが、腎機能低下との相関は認められませんでしたが、間質病変ではPTCs減少と間質線維化や慢性拒絶反応の程度、腎機能の低下と有意な相関が認められました(図6)48)。糸球体毛細血管障害は糸球体硬化病変の形成に関連するが、腎機能低下との相関はPTCsの減少で認められ、PTC障害・脱落と間質線維化が腎機能低下には直接関連していることが示されました。

図6     慢性拒絶反応と腎機能障害  (文献48)より転載)
光顕所見(Elastica-Masson染色)では炎症細胞浸潤を伴う間質の線維化、細動脈には線維性内膜肥厚の慢性移植血管症が認められ、糸球体には慢性移植糸球体症がみられ、慢性拒絶反応に進展している。 PTCs and interstitial fibrosis [PAS染色とCD34染色(茶色)の二重染色]では慢性拒絶反応 (CR)の程度が進むにつれ、尿細管の萎縮や間質の線維化が進み、CD34陽性のPTCsの減少を認める。グラフではPTCsの減少と間質線維化の増加の程度は相関し、さらにPTCsの減少は腎機能低下と有意に相関を認め、間質のPTC障害が間質線維化や腎機能の低下に関連することが示されている。

拒絶反応は免疫学的機序により糸球体や間質の血管内皮細胞が直接障害され、超急性拒絶反応、急性拒絶反応、慢性拒絶反応と、内皮細胞への障害機序や程度が異なり、それぞれに対する病態の差と生体反応の違いから生体での血管内皮細胞障害とその後の再生・修復過程の深い理解につながると考えている。

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